4．悩みの原因を発見する

　あなたが心の中の願望を見つけるために最後に行うことは、自分の心に「私が本当にしたいこと（欲しいもの）は何か」を問いかけることだ。前のページでノートに記入した、嫌々行動しているネガティブな気持ちを表す言葉と理想像を拒絶する言葉を拠り所にして、嫌な気持ちの裏側にあるポジティブな気持ち、理想像を心から取り除いたときに見える本音を認識するのである。この自問自答の作業はどれだけ時間をかけても良い。
 
　思い浮かんだ自分の願望をノートに書き、前のページでピックアップしたストレスを感じる行動、できていない行動に対して、「私がしたいこと（欲しいもの）は〜であり、この行動は私の願望と〜の点で矛盾するのでストレスを感じる（実行できない）」という理由付けができるかテストを繰り返してみる。ピックアップしたすべてのストレスを感じる行動に対して自分が納得できる理由付けできたら、その願望は本物であり、あなたは自分の本当の願いを発見したことになる。
 
　この願望を見つける一連の作業を通して、あなたは悩みを抱えた原因が、今自分のいる環境に適合するように生きようとして、自分の心の奥に隠れていた願望と矛盾する行動を続けてきたことにあるとはっきり認識できる。原因がわかれば、悩みは解決出来る。

　自分の願望の発見により悩みの原因が明確になり、あなたの心にかかった霧は晴れ上がる。自分の願望を発見したとき、あなたはその願望を抱くきっかけとなった出来事も同時に思い出すことになる。

　願望はきっかけもなく突然心に生まれることはない。あなたがあるタイミングで見たり、聞いたり、体験したことに対して「自分もやってみたい」、「自分もそうなりたい」、「それを手に入れたい」と思った気持ちが願望へと変わってゆく。

　その衝動が大きければ、その時点から願望を認識してその願望を達成するための行動を開始することになる。しかし大抵は一時の衝動としていつの間にか忘れてしまう。それでもその衝動の中にはあなたの心の奥底で大きな願望へ変化するものがある。
 
　今、あなたが解消したいと思っている悩みは、その願望があなたの心の奥に発生した瞬間から抱えることになる運命にあったのだ。しかし、悩みを抱えたことは必ずしもあなたにとって不幸なことではない。悩みを抱えたことで自分の願望を発見する機会が与えられたのだから運命に感謝すべきである。

　自分の願望を発見したら、願望を実現し、悩みを解消するための行動を起こすだけだ。次のページからその方法について説明してゆく。