願望で人間関係の悩みを解消する

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3.自分の願望を探る


心の奥に隠れている願望

 あなたが悩みから脱出するために次に行うことは、自分の願望を具体的に認識することだ。これは地図で目的地を確認することと同じである。自分の願望を認識することで、今悩んでいることが願望と現状のギャップによって生じていることがはっきりわかる。
 
 この悩みの原因分析では自分の気持ちを深く洞察することになる。ポイントとなるのは自分の願望と理想像を区別することである。悩みを解消するには理想像ではなく、心の根の部分にある願望を心の表まで引きずり出し、はっきり認識しなくてはいけない。人は願望をはっきり認識すると願望を実現する行動を起こさずにはいられなくなる。自分の願望を認識することは悩みを解消する具体的な行動を起こすために必要である。
 
 しかし自分の本当の願望を認識することは簡単なことではない。願望はあなたの心の奥に潜んでおり、願望を覆い隠す皮を一枚ずつはぎ取らなければ見えてこない。その最初の作業は現状把握でピックアップしたストレスを感じる行動に対してなぜその行動をやりたくないのか、なぜその行動ができていないのか、理由をノートに書き出すことである。要するに愚痴や言い訳をどんどんノートに書く作業である。他人に見せるものではないので遠慮なく書いてみる。書いた言葉から願望が次第に見えてくる。

願望を知るための心の整理

 自分が取っている行動が嫌な理由や行動できていない理由を書き出す作業が終わると、ノートには「〜なのでこの行動は嫌だ」、「〜なのでやるべき行動ができていない」といった言葉が並んでいるはずである。これらの言葉はあなたの今の気持ちを表してはいるが願望そのものではない。願望は「〜をしたい」、「〜になりたい」、「〜が欲しい」といった言葉で表されるものである。

 願望を太陽と考えれば、自分が今取っている行動が嫌な理由としてあげた言葉は、あなたの悩んでいる心に太陽の光が当たってできた影のようなものだ。願望とずれた行動を取っていることに対するネガティブな気持ちの現れなのだ。願望を知ることは光が差し込んでくる方向を見ることである。太陽は常に影が伸びる方向と逆の方向に存在する。そこにあなたが望む本当の世界がある。
 
 また、本来やるべき行動だがその行動ができていない理由としてあげた言葉は、理想像として認識している行動に対するあなたの拒絶の気持ちを表している。理想像は願望に似ているが同じものではない。理想像は周囲の人の目から見たあるべき姿を意識したものである。理想像は今解決したい悩みに直接回答を与えてはくれない。

 理想像は太陽を覆い隠す雲のようなものである。太陽を覆う雲が光を散乱し、太陽の姿をぼかしてしまうのと同じように、理想像はあなたの本当の願望をぼかしてしまう。自分の本当の願望を知るためには、一旦理想像を心の中から取り払う必要がある。願望という太陽を見たいなら、雲がない場所に移動して空を見上げる必要ある。 
 
 以上の点をふまえ、気持ちを整理すると心の中に願望が存在する場所が見えてくる。次のページでさらに願望を発見する方法を詳しく説明する。



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